タロットカード1番「魔術師(The Magician)」のリーディング・由来について
タロットカード1番は「魔術師(The Magician)」です。
バラとユリに囲まれた場所で、小アルカナのスート「杖・聖杯・剣・金貨」をテーブルに並べ準備をしています。
自信満々な表情で天と地を指す魔術師は、頭上には無限マーク(∞)も現れ、ただならぬ能力を秘めているようです。
カードの意味
魔術師?奇術師?それとも詐欺師?
「魔術師(The Magician)」のモデルは、様々なモノを作り出す「錬金術師」のようです。
「錬金術師」は自然界に存在する元素から貴金属を作り出す試みを行い、さらには人間の体や魂の錬成も目指していました。
皆さんご存じのように、錬金術のもともとの目的である「卑金属から金を作り出す」という目的は、現在ではエセ科学として知られています。しかし、実験の過程で様々な化学反応があきらかになり、化学・物理の進歩に役立ちました。
果たしてカードの彼は、本物かハッタリか?正位置、逆位置の解釈によって変わってきそうですね。
1番「魔術師(The Magician)」のリーディングについて
正位置
準備万端、チャンス、最初の一歩、創造性、アイデア、積極的、知恵が活きる
逆位置
準備不足、知識不足、騙される、悪知恵、消極的、隠し事がばれる
タロットカードの1番である「魔術師」は何かのスタートとするには良いキッカケになりそう。
ただ、あくまでスタートの準備が整っただけですので、これから先どうなるかは誰にもわかりません。
また、魔術師にハッタリは大事です。周りを楽しませたり驚かせたり、コミュニケーションをしっかりとることは大事になってきます。
逆位置では騙されたり、隠し事がばれたりという示唆があります。注意をしましょう。
絵柄を一つづつチェック
人物から読み取れるキーワード
ポーズ:天を指す右手・地を指す左手
「下にあるものは上にあるもののごとく、上にあるものは下にあるもののごとし」という言葉を表すポーズのようです。
この言葉は何かというと、伝説上の錬金術師「ヘルメス・トリスメギストス」による錬金術の基本原理です。
ヘルメス・トリスメギストス(英: Hermes Trismegistus, 古希: Ἑρμῆς Τρισμέγιστος)は、神秘思想・錬金術の文脈に登場する神人であり、伝説的な錬金術師である。
Wikipediaより引用
深い意味をもつポーズでもありますが、シンプルに手を挙げて自信満々の様子ととらえることもできそうです。
無限∞のマーク
無限大の言葉の通り、「無限の力を秘めている」ということを暗示しています。
たしかに「魔術師」はなんでも作れる要素を手にしているし、「力」は物腰の柔らかな女性がライオンを手名付けているという非凡な能力が見えますね。「ペンタクルの2」は頭上ではなく手に持っていますが、彼だけは超能力では無さそうですね。
隠れた足元
この「魔術師」はテーブルと植物によって足元が隠れています。
これは「愚者」と違い後ろめたいことがあったり、ハッタリやイカサマの可能性もありそう。
カードが逆位置で出た場合は、この辺りから読み取れるマイナスポイントが占いに反映されそうですね。
人物の服装・持ち物から読み取れるキーワード
ワンド
スートのワンドとは違うものですね。神秘的な力を発現するための大事な要素となります。
「魔術師」は頭上に掲げ、天からのパワーを受け取るために使用しています。「戦車」の青年は天からのパワーを必要とせず、自らの意思をパワーの源として、スフィンクスを従えるために使っています。
「世界」では両手にもっており、二つの力を調和させた完全なものとしています。
テーブルの上の小アルカナスート
「杖・聖杯・剣・金貨」は、四大元素「火・水・風・土」を示す大切な要素です。
この4つは世界を構成する全てで、錬金術師にかかればこの世のすべてを作り出せる可能性を秘めています。
赤と白の服装
赤は「情熱」や「願望」を表し、白は「純真さ」を表しています。
純粋に錬金術を追求する姿勢以外にも、見栄をはったり、何か見返りを求めるという願望も含まれていそうです。
蛇のベルト
ヘビというだけであれば、吉兆を予感させるキーワードです。
ベルトになっているということは一周しているということ。つまり、自身の尻尾を飲み込んで一周している「ウロボロス」の象徴とみることもできそうです。
ウロボロス (ouroboros, uroboros) は、古代の象徴の1つで、己の尾を噛んで環となったヘビもしくは竜を図案化したもの。
Wikipediaより引用
ウロボロスは、レムニスケートと同様「無限大」を示すキーワードです。
「永遠」や「循環」も表しており、錬金術のテーマと重なる部分が意外と多いですね。
周囲の状況から読み取れるキーワード
赤い薔薇、白い百合
赤い薔薇は男性、白い百合は女性を示すと言われています。
絡み合っていることで新しく生み出す力が示されています。錬金術師の創造の場にふさわしい背景です。
ひけらかす魔術師、神秘を守る女教皇
魔術師の次に出会うのは女教皇です。
知識不足の魔術でハッタリをすることも役に立ちますが、ゆったりと構え知識を深める時間を持つ必要がありそうです。