タロットカード0番「愚者(The Fool)」のリーディング・由来について
タロットカード0番は「愚者(The Fool)」です。
これから旅に出る若者とそれをお供する白い犬の絵柄ですね。
目の前の崖に気づいていないし、周りが氷山に囲まれていて前途多難のよう。
しかし、こちらも本人は気づいていませんが、太陽にもしっかり照らされ、祝福の暗示の黄色い空にも恵まれている彼の今後は期待できそうですね。
カードのもつ意味
冒険の始まり!目的がない旅を通して目的を探そう
この「愚者(The Fool)」は、タロットカードでは0番という、数字の枠にとらわれないカードとなっています。
そのため、タロットカード自体を1~21番のカードを旅して成長する愚者の物語(フールズジャーニー)ととらえる見方もあります。
少しの荷物だけを手に飛び出した彼のことを愚者とけなすか、無限の可能性を秘めている若さにあこがれるか・・・。
占いで正位置がでた場合は、状況を楽観的にとらえて行動してみるのが吉となりそう。
「0.愚者」のリーディングについて
正位置
自由、始まり、若さ、純粋無垢、無邪気、冒険家、天真爛漫
逆位置
愚か、無謀、未熟、気まぐれ、無計画、独りよがり、うっかり
新しく挑戦することにはリスクはつきものです。周りからは無謀と言われたり、おとなしくしておけばよかったな・・・と後悔することもあるでしょう。
無謀な挑戦をする人を「愚者」、つまり「おろかもの」と呼ぶ人もいますが、チャレンジしないとなにも始まりません。始めなければゴールへはたどり着けません。
チャレンジを始めた人にとって、まわりから「愚者」と呼ばれることは気にしなくてもいいことかもしれませんね。
しかし、ポジティブになりすぎるのも注意!わかりやすい形で警告があるにもかかわらず、見ないふりをして進もうとしていないでしょうか?
困難は待ち構えています。勢いで乗り越えられるのか、やっぱり一度準備をしたほうが良いのか、よく考えましょう。
絵柄を一つづつチェック
人物から読み取れるキーワード
若者の足
足を上げているので、彼は立ち止まっているのではなく歩いています。(踊っている可能性も?)
タロットカードで動きのあるカードは意外と少なく、けっこう重要なポイントです。
若者の目線
上を見上げていてとにかくポジティブなご様子。
空は、夢だったり希望を表していますが、その空が祝福の色である黄色というのも好印象。
足元の崖は見えていませんが、きっと大丈夫、そんな予感がします。
人物の服装・持ち物から読み取れるキーワード
派手な花柄の服装
たくさんの黄色い花の柄の服ですね。黄色い花は幸運の象徴です。
裏地は赤色になっており、赤色は「情熱」。内なる情熱を秘めています。また、肌着が白なので、若者はまだ何にも染まっていない純粋な心を持っていると言えます。
頭にある羽の飾り
右手:棒と、荷物の袋
荷物には何が入っているのでしょう?旅にしては荷物が少ない気もします。なにが入っているかによって解釈が変わってきそう。
左手:白いバラ
白い薔薇は気品を表しています。この若者は少しの荷物で旅を始めたわけですが、もともとは高貴な身分だったのかもしれません。
周囲の状況から読み取れるキーワード
白い犬
犬はパートナーの象徴です。猫と対になって、男性の象徴にもなります。
白い色ということで運気の上昇も感じられますので、若者の旅を導く存在といえるでしょう。
また、犬は「本能」を表している面もあります。本能からの警告を読み取れるので、若者自身もうっすらと自身の身の回りの危険は感じ取っているようです。しかし、そんなことには目もくれず目線は上目で旅に期待を寄せていますね!
足元の崖
崖は見た目通り、危険やリスクの暗示です。
氷山
氷山は乗り越えるべき壁を表しています。
0番「愚者」では、若者の周りを取り囲んでいて、旅の行く末はかなり険しいことが伺えます。
9番「隠者」は、既に氷山の上に立っており、壁は既に克服していますね。
ペンタクルのエースでも実は先に氷山がそびえ立ってみます。誘われるまま進むと後で苦労することになりそう。
黄色い空
黄色は祝福の色です。タロットでは空が黄色のカードはいくつかあり、総じて幸運の予感を感じさせます。「愚者」の黄色の空もポジティブに受け取ることができますね。
太陽
太陽からのエネルギーは宇宙的なエネルギーです。祝福を受けていると考えて良いでしょう。
19番「太陽」は周りのひまわりも含めて、より強く祝福を表現されています。
1番「愚者」はそれを一身に受けていて、運気が高い状態にありますね。「お天道様がみている」という言葉も日本にはありますが、遮ることなく降り注がれている若者にも、隠し事がなく純粋な人物だということがわかります。
13番「死神」にも太陽があり、そこまで悲観的になる必要はなさそうですが、門や森を越える必要がありますね。対して、14番「節制」ではすんなり辿り着けそう。
フールズジャーニーのはじまり
何はともあれ、「愚者」の旅がスタートしました。
次に会うのは魔術師です。勢いよく飛び出した愚者に、魔術師は準備をすることの大切さを教えてくれるのでしょうか?